第1回企画展 ( 会期 2002年2月1日〜6月10日 )
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「私の人生は何という小説(ロマン)であろうか!」

−ナポレオン

「小さなミュージアムのナポレオンの食器展」
ナポレオンという叙情詩

 愛知ポーセリソミュージアムの第一回企画展として今回ナポレオンにまつわる食器を展示し、「小さなミュージアムのナポレオンの食器展」といたしました。

 ナボレオソの評価は様々ですが、その功績の第一はそれまで王侯貴族の所有であった土地財産の私的所有権や個人の自由の権利、人権の平等を定めた二千数百ケ条にわたる「ナボレオン法典」の制定にあるといえます。

 その法典の与えた影響は大きく、王制の復活した全∃一口ッパの体制を再び民主国家へと変貌させていったばかりではなく、スぺインなどの植民地であった中南米諸国を独立へと導きました。法典発布から今年で二百年目に当たりますが、現在でもベルギー、イタリア等の国々ではその法典の訳条が法律に使われている程です。

 第一回企画展ではセーブル帝立窯で焼かれたナポレオン紋章入りのディナープレ−トを中心にナポレオンの肖像画皿や作戦を指示する磁器人形、ナポレオンと戦った国々の王家の食器、ナポレオンの遺骸をセント・へレナ島より引き取り、パリのアンバリッド(廃兵院)に埋葬したフランス最後の国王ルイ・フイリップの食器、ナポレオンの自由・博愛・平等の志を受け継いだ甥のナポレオンV世の公式食器等々が並びます。そしてそのかたわらにナポレオンが愛した女性たちの物語が加わり、ゲーテが「最も偉大な精神の生産者」とたたえたナポレオンの魅力やロマンがナポレオンにゆかりのある六十余点の食器や陶磁器類の中に鮮やかに浮方びあがります。

21世紀へのメッセージ

一体、ナポレオンとは何者なの分か?「私の人生は何という小説(ロマン)であううか!」そう自ら述懐した英雄・ナポレオン。私たちは、その生涯の中に人間のありとあらゆる性質を見て取ることができる。

栄光と落日、勝利と敗北、出世と破滅、人々に与えらた希望と悲しみと憎しみ、絶海の孤島での孤独な死…。人間という業(ごう)を彼ほどその身の上に顕わした男はいない。

千年に一度の輩出、といわれる巨人・ナポレオン。

その死から180年。野心を超人的なエネルギーに転じて歴史創造の主役を生きたナポレオン。

彼は壮大な夢を追い駆けて生きた。フランス革命の理念である自由・博愛・平等の実践。そして欧州統合の夢…。

戦乱に明け暮れ、あわただしい血に縁取られたナポレオン。そのナポレオンに遠く未来を見据えて語った言葉がある。「戦争はやがて時代錯誤になろうとしている。未来は知性であり、産業であり、平和である。過去は暴力であり、特権であり、無知であった…」ナポレオンの人生は21世紀の私たちに汲み尽くせないメッセージを発して止まない。

今年は世界三大法典の一つに数えられるナポレオン法典の発布から200年目に当ります。
世界の民主主義の根幹となったこの法典にはナポレオンの理想が掲げられています。

奇しくも、2002年の今年彼の夢の一つであった欧州統合がユーロという統一通貨によって200年目に実現することとなりました。

ミュージアム入口のナポレオン展の案内掲示には発行当日のユーロ紙幣が彼の肖像画と共に有ります。

紋章絵皿

肖像画絵皿

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